佐賀市で２００７年、知的障害者の安永さん＝当時（２５）＝が警察官に取り押さえられ、搬送先の病院で死亡した事件で、特別公務員暴行陵虐致傷罪で審判に付された佐賀県警巡査長、松雪大地被告（３０）に、佐賀地裁の若宮利信裁判長が３月２９日、無罪判決（求刑懲役１年）を言い渡したことが明らかになった。 取り押さえの際に暴行があったかが最大の争点だったが、若宮裁判長は判決理由で、「殴ったように見えた」などとする目撃者２人の証言について「ほかの証言と相反し、不自然な部分がある」として信用性を否定した。 安永さんの傷痕は「殴られたこと以外でできた可能性を否定できない」としたが、殴られたのでなくても、取り押さえられたことで出来れば、取り押さえが乱暴であったことになり、最初に結論を決めた後で無理に付けた理由であるといえる。
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