阿賀町で2007年10月、火災の消火作業中に女性(当時50歳)が防火水槽に転落して水死したのは、消防団がふたを開けたまま安全管理を怠ったためとして、遺族が同町を相手に損害賠償を求めた訴訟の判決で、新潟地裁が2月25日、同町の過失を認定し、請求通り約6291万円の支払いを命じたことが明らかになった。 森一岳裁判長は判決理由で、火災の発生を知らせる地域放送が流れていることを挙げ「近隣住民が現場周辺に集まり、防火水槽付近にも人が来ることは予想でき、ふたが開けられても(転落を防止する)措置が講じられなかった場合、誤って転落することも考えられた」と指摘した。 判決によると、2007年10月27日早朝、同町で発生した火災で、駆けつけた消防団員らが消火活動のため、深さ約2メートルの防火水槽のふた(直径約90センチ)を開けその場を離れたところ、近くに住む看護師の女性が転落して、水死したという。 原告側は、ふたを開けた際には信号灯などを設置してその場を離れないことが消防団員の順守事項だったと主張し、被告側はそうした事項は法令で義務づけられていなかったとして、「一般人が防火水槽のある位置まで来ることは予想できなかった」などと請求棄却を求めていた。 阿賀町の担当者は「判決の内容を見て、控訴などについて考えたい」と話している。(編注:規定を作っておくべきだ)
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