福岡県議会の各会派や議員に支給された2010年度の政務調査費が、政策の調査研究という趣旨を逸脱して使われていた事例が次々と判明していることが明らかになった。 有権者のために寿司店から取り寄せた食事代、ワックス洗車や車内清掃費、議員の昼食に添える味噌汁代などと、政調費の不適切な使途が表面化した昨年7月以降も続いており、取材に対し、一部の議員は不適切だったことを認め、返還する意向を示しているという。 民主・県政クラブに所属していた冨原茂昭氏(67)=田川郡=(4月の県議選で落選)は地元で開いた2回の会合で、有権者らに食事を出しており、昨年11月は寿司店に15人分計1万1060円、今年1月にはパン屋に25人分7200円を支出したが、会合では地域の雇用問題などについて意見を交わしたとしている。 食事の提供は選挙区内の有権者への寄付を禁じた公職選挙法に抵触する恐れがあり、冨原氏は「会合が食事の時間帯にかかったので出した。選挙での投票は依頼しておらず、公選法に触れるという認識はない」と言い張っている。 洗車代を計上していたのは、自民党県議団の栗原渉議員(45)=朝倉市・朝倉郡=で、「車の維持費には充当できない」とする政調費の使途基準に反し、昨年5月〜今年1月、車内清掃代を含め、5回にわけて7735円を支出していた。 栗原議員は「単純なミス。大変申し訳ない」と釈明し、会派に修正を申し出たという。
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