東日本大震災の発生直後の3月11日から16日に、福島地検本庁や郡山、いわきの2支部が勾留中の容疑者計33人を処分保留で釈放していたことが29日に明らかになった。 検察関係者は「震災の影響で、容疑者の身柄の安全確保や被害者からの聴取など捜査の遂行が困難になったため」と釈明している。 釈放されたのは軽微な事件の容疑者で、検察側は今後、必要な捜査を続けた上で刑事処分を行うとしているが、被災者の不安を増大することに対し、治安維持の観点から問題となることが必至となっている。 福島地検によると、対象とされた容疑は窃盗や強制猥褻、覚醒剤取締法違反などで、殺人や強盗致傷など裁判員裁判の対象事件で逮捕された容疑者はいなかったとしており、いわき市など管轄の警察署に勾留されていたが、16日までに順次釈放したという。 いわき市北部の地域は福島第1原発から30キロ圏内にあり、屋内退避指示が出されているのに、釈放したら、屋外へ追放することになってしまう。
↧