B型肝炎訴訟の和解協議が10日、札幌地裁(石橋俊一裁判長)であり、原告側は残された論点の慢性肝炎発症後20年以上が経過した患者の扱いについて「一律救済から排除することは正義・公平の理念に反する」とする意見書を提出し、地裁に対して、国に再検討を求めるよう要望したことが明らかになった。 国側はこれまでの協議で「発症20年以上の患者は、民法の除斥期間の規定により損害賠償請求権がない」との姿勢を示しているが、これに対して意見書は、「対象の原告は、母子間感染阻止事業が始まる86年以前に出産して母子感染させてしまった人も多く、苦しみは甚大だ」と指摘し、国側が2006年の最高裁判決で敗訴するまで感染拡大の責任を否定し続けた経緯を踏まえて、「これまで提訴しなかったことに何の落ち度もない」と訴えている。 除斥期間を巡っては、薬害C型肝炎訴訟で、20年制限を問題にしない被害者救済法が成立しており、協議後に会見した原告の清本さん(33)は、「C型肝炎で救えた人たちを、なぜこの政権が救えないのか」と訴えている。
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