大阪地検特捜部の押収資料改竄・犯人隠避事件で、前部長の大坪弘道被告(57)=犯人隠避罪で起訴=が、元主任検事の前田恒彦被告(43)=証拠隠滅罪で起訴=の証拠品改竄疑惑を知った後、家族に辞職を示唆する内容のメールを送り、最高検が送信記録を入手していたことが8日、関係者への取材で明らかになった。 公判の焦点となる大坪被告の認識をめぐる客観証拠の存在が明らかになるのは初めてで、検察側は、故意の改竄を大坪被告が把握していたことを裏付ける有力な物証とみている。 前田被告は14日から大阪地裁で始まる公判で「故意に改竄した」と起訴内容を認める方針だが、大坪被告側は「前田被告から過失と聞き、上にも報告した」と全面否認を貫き、今後の公判でメール文面の解釈について反論するとみられている。 関係者によると、大坪被告の家族あてのメール記録は、昨年2月2日未明と執務時間の午前中の2回分で、1回目は「部下の責任をとって辞めることになるかもしれない」との内容で、2回目は一転して「何とか切り抜けられそうだ」などと記していたという。 起訴状などによると、大坪被告と元副部長の佐賀元明被告(50)=犯人隠避罪で起訴=は昨年2月1日、前田被告が郵便不正事件の構図に合わない証拠品のフロッピーディスク(FD)データを故意に改竄したことを佐賀被告に内部告発していた同僚検事らを口止めし、翌2日に東京出張中の前田被告に「過失と説明しろ」と指示したとされる。 検察側は大坪、佐賀両被告が故意の改竄だったと把握しながら隠蔽を図ったとみて、検察の構図と合致している前田被告や同僚検事らの供述を核に据えて立証する構えで、これらの供述を裏付ける物証として、佐賀被告が当時書き留めていた執務記録やメモとともに大坪被告のメールを重視しているらしい。 大坪、佐賀両被告は公判前整理手続き中で、公判期日は決まっていない。
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