福岡市が3日の市議会委員会で、こども病院の人工島移転計画を巡り、市が現地建て替え費の試算額を1・5倍とした根拠のヒアリング先のゼネコン3社について、名前を報告したが、3社は新聞社の取材に対し「1・5倍など具体的な話はしていない」と市の説明を否定していることが明らかになった。 3社は清水建設、大成建設、竹中工務店の各九州支店で、市は「ヒアリングは非公表が前提で、名前を出すと信頼が損なわれる」として議会にも明かさなかったが、移転計画を検証する調査委員会(北川正恭委員長)の要請で公表を決めた。 冒頭、市側は「公表で市民の不信感が払しょくされ、計画を早く進めることになると高島宗一郎市長が判断した」と説明し、議会側の理解を求めたが、飯盛利康委員からは「市とゼネコンの話が非常に食い違う」、市木潔委員からは「公表を評価する」など、意見が出た。 一方、共産党市議団は同日、2008年10月の市議会委員会総会で市が「更地の1・5倍は費用を見込むべきと(ゼネコンから)意見された」と答弁したことについて、虚偽の疑いがあるとし、増額の経緯を調査して7日に回答するよう市長に要請した。
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