広島県呉市で2012年5月、生後5か月の長男を激しく揺さぶり、頭に重傷を負わせたとして傷害罪に問われた父親の会社員の西田被告(26)の判決が21日、広島地裁であり、設楽大輔裁判官が「長男は以前から慢性硬膜下血腫を発症していた可能性があり、被告の揺さぶりで傷害を負ったとするには合理的な疑いがある」として無罪(求刑・懲役6年)を言い渡したことが明らかになった。 起訴状では、西田被告は2012年5月の夜、自宅で長男の体を上下に揺さぶるなどして急性硬膜下血腫などの怪我を負わせたとされ、西田被告は「揺さぶったが、怪我を負わせるつもりはなかった」と、公判では起訴事実を否認していた。 設楽裁判官は、男児の手術に当たった医師の所見などから「長男は事件があったとされる日以前から慢性硬膜下血腫の症状があり、慢性血腫の肥大化で圧迫された血管が切れ、新たに急性硬膜下血腫を発症した可能性を否定できない」と指摘した。 また、西田被告の揺さぶりも「急性硬膜下血腫を発症させるほど強い力だったとは言い難い」とした。
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