北海道滝上(たきのうえ)町の町立図書館臨時職員、工藤陽子さん(当時36歳)が昨年8月から行方不明になっている事件で、道警紋別署が4日、工藤さんの遺体を遺棄したとして同僚の町臨時職員、小谷(こたに)昌宏容疑者(41)=同町サクルー原野=を死体遺棄容疑で逮捕したことを明らかにした。 工藤さんとみられる白骨が町内の山林で見つかったており、同容疑者は「工藤さんと職場で口論になり、かっとなって首を絞めて殺した」と供述していることから、殺人容疑でも追及するとしている。 逮捕容疑は昨年8月14日、工藤さんの遺体を図書館にあったブルーシートにくるみ、町中心部から南西約20キロの上紋(じょうもん)峠付近の林道脇の山林に遺棄したとしており、工藤さんは同日午後5時40分過ぎ、図書館で来館者に目撃された後、行方が分からなくなっている。 道警は今月2日、小谷容疑者宅を家宅捜索し、3日夜の任意の事情聴取に「両手で首を絞めた。遺体は車で運び、山に捨てた」と供述しているという。 4日午前8時過ぎ、人の頭部と脚の骨が発見されており、着衣は行方不明時の工藤さんのものとほぼ一致し、道警はDNA型鑑定で身元の特定を急いでいる。 事件後、図書館から2キロ以内の道路沿いには工藤さんのバッグやサンダル、弁当箱が点在していたが、小谷容疑者は「遺体を捨てた後、車で図書館近くに戻ってバッグなどを捨てた」と供述しており、道警は捜査を混乱させようとしたとみている。 町によると、小谷容疑者は2009年採用で、図書館が入る町文化センターの管理人を務めていたという。 道警は、図書館が施錠され、事務室に荒らされた形跡が無かったことから交友関係を中心に捜査していた。
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