横浜市中区にある横浜公共職業安定所(ハローワーク横浜)の職歴情報漏洩事件で、情報提供を働きかけたとして国家公務員法違反容疑で愛知県警に逮捕された調査会社役員、藤田利恵子容疑者(51)が「生活費欲しさに個人情報を漏らしてもらった」と供述していることが、同県警への取材で明らかになった。 職歴情報は結婚相手や中途採用者の身元調査などに使われたとみられ、県警は2日、ハローワーク横浜を家宅捜索した。 法人登記簿などによると、藤田容疑者は2005年に情報調査会社を設立して、「情報サービスエフ」など2つの社名を名乗り、情報収集業を営んでいた。 捜査関係者によると、藤田容疑者は職歴情報を必要とする依頼者から直接、依頼を受け取ることはなく、各地の複数の調査会社を介して注文に応じており、職歴情報の収集を専門に利益を上げて、情報を得るためにハローワークの非常勤職員、西沢えみ容疑者(47)=同法違反(守秘義務違反)容疑で逮捕=に接近したとみられる。 藤田容疑者は依頼者側から情報1件あたり約3万円の報酬を得ており、そのうち西沢容疑者は数千円から1万円を謝礼として受け取っていた疑いがあり、県警は贈収賄の容疑も視野に入れて調べており、愛知県警による家宅捜索は2日午前10時ごろに始まり、捜査員十数人が捜査車両3台で到着して、通用口から庁舎に入った。 この日は閉庁日で、出勤していたハローワークの職員たちは厳しい表情で応じていた。
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