２０１１年４月の愛知県大府市議選に絡み、選対幹部を接待したとして公選法違反（買収）容疑で逮捕・送検された元議長の久野喜孝市議（６９）について、名古屋地検が７日、起訴猶予処分としたことを明らかにした。 地検幹部は「金額も少なかった」と述べ、刑事事件に詳しい専門家は「逮捕には慎重であるべきだった」と指摘し、県警の「勇み足」をたしなめた形の処分となった。 久野市議は２０１１年４月、選対幹部ら５人に居酒屋で、１人当たり１４００円相当のビールやおでんなどを提供したとして愛知県警に逮捕され、同５月に処分保留のまま釈放された。 地検は正式な処分理由は明らかにしていないが、幹部は「以前から一定の会費を集め差額を負担する方法で支援者らと飲食しており、投票依頼という犯罪構成要素が弱い」と説明している。 久野市議は「処分保留の期間中は市民の不信の目もあり、大変苦しかった」と話しているが、一方、県警幹部は「コメントする立場にない」と逃げている。 愛知県警では近年、少額の買収事件でも逮捕する傾向が目立ち、２０１０年参院選で、支援者に１人当たり千数百円相当のみそ煮込みうどんを提供したとして当選候補者の陣営幹部の県議を逮捕、２０１１年２月の愛知県知事選では、有権者７人にエビマヨネーズあえやギョーザなど１人千数百円分の飲食接待をしたとして落選候補の支援者を逮捕し、いずれも罰金刑が確定している。
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