昭和41年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で一家4人が殺害された袴田事件の第2次再審請求で、静岡地検が12日、静岡地裁の勧告を受けて、袴田巌死刑囚(75)の取り調べを録音したテープや供述調書などの未開示証拠176点を地裁に提出し、3者協議の場で弁護団に開示したことが明らかになった。 再審の可否をめぐる地裁の判断に影響を与える可能性が出て来た。 弁護団によると、開示されたのは、起訴後に静岡県警が取り調べ状況を録音した約60分のテープ1本と、否認から自白に転じる供述調書など約30通、現場の写真やネガ計約80枚などという。 再生されたテープの一部では、「言いたくないことは言わなくてもいいです」と録音の承諾を求める警察官に対し、袴田死刑囚が小声で「はい、いいです」と応答していた。 テープを分析した小川秀世弁護士は「供述調書で『仏壇』とされたところがテープでは『神棚』と発言するなど不自然な点が2つあった」と話しており、犯行時の着衣とされる「5点の衣類」に付いた血痕のDNA鑑定も行われて、今月22日が地裁への鑑定報告書の提出期限となっている。
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