大阪市が9日支給した冬のボーナス(期末・勤勉手当)の査定で、標準額を下回る最低ランクのD評価だった市長部局の職員は、管理職では1897人中ゼロで、一般職員を含めても2万2768人中5人(0・02%)だけだったことが明らかになった。 市は「適正に評価した」と言い張っているが、橋下徹・新市長が代表を務める大阪維新の会は、必ず5%をD評価にする職員基本条例案を提案しており、人事評価を巡って激しい議論を呼ぶことが必至となっている。 市によると、今回の支給額は一般職員(平均42・6歳)で78万525円あり、勤務成績に応じた絶対評価で、課長代理級以上の管理職は2006年冬、係長級以下は2007年冬からボーナス支給額に反映させている。 管理職はS〜Dの5段階でS(10%)とA(30%)は割合を固定し、係長級以下はA〜Dの4段階でA(40%)のみ割合を定めて区分し、支給額で最大約40万円の差が生じるという。 評価の内訳を見ると、交通局などを除く市長部局の一般職員2万871人の場合、A(優秀)が8275人、B(標準)が1万2587人だったのに対し、C(やや劣る)は4人、D(劣る)は5人だった。 管理職1897人では、S(非常に優秀)が195人、Aが552人、Bが1148人に対し、Cは2人、Dは該当者がいなかった。 一方、市と同様の支給制度を持つ大阪府の知事部局の職員(約9900人)でも、ボーナス査定で標準を下回る評価を受けた職員はごくわずかだったことが判明している。 勤務成績が良い場合に支給額が上積みされる「最上位」を5%、「第2上位」を25%に固定しており、7割近くが「標準」で、「やや良好でない」は98人(1%)、「良好でない」は5人(0・05%)にとどまっている。 橋下新市長は大阪府知事時代、人事評価の最低ランクが1%未満にとどまる現状を「実態を反映していない」と指摘し、維新提案の職員条例案では、相対評価で人事評価を行い、2年連続で最低ランク(5%)だった職員を分限免職の対象にすることを盛り込んだ。 同条例案は市議会で否決されているが、橋下新市長は市長提案で改めて提出する方針を表明しており、対応が注目されている。
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