法人税約4億4440万円を脱税したとして、法人税法違反に問われた元小倉税務署長で税理士の高藤正義被告(68)と、北九州市小倉北区の不動産会社「アイデアル」の社長、高橋和広被告(50)の判決が24日、福岡地裁であり、野島秀夫裁判長が「脱税額は極めて高額で、悪質な犯行。刑事責任は重い」として、高藤被告に懲役1年6月(求刑・懲役2年6月)、高橋被告に懲役2年6月、執行猶予5年(求刑・同)、法人としての同社に罰金1億円(求刑・罰金1億3000万円)を言い渡したことが明らかになった。 高藤被告は即日、福岡高裁に控訴したという。 判決によると、高藤被告らは元税理士の男性(法人税法違反で有罪判決確定)と共謀し、2007年7月、2006年6月からの1年間で同社の所得が約20億9290万円だったのに、約6億1150万円だったとする虚偽の内容を小倉税務署に申告して、法人税約4億4440万円を脱税したという。 高藤被告は公判で脱税の一部について、「国税庁の通達に従って、同和団体に関係があった会社の税金を特別控除して申告しただけ」などと否認したが、野島裁判長は判決で「通達には控除するとの記載はなく、そもそも法律を超えての控除は認められていない。しかも通達は犯行時には失効していた」として退けた。
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