福岡大病院(福岡市)が18日、5月に心臓手術を受けた80代の女性患者が、直後に死亡していたことを明らかにした。 手術の際、心臓に置き忘れたガーゼが腹部に移動して残っていたため死亡した可能性が高いとして、病院側は厚生労働省や福岡県警などに報告し、外部の専門家を入れて調査を行うとしている。 同病院によると、女性は大動脈弁狭窄症などで5月下旬に入院して、大動脈弁を人工弁に交換する手術で使ったガーゼ(横約30センチ、縦約15センチ)1枚が、閉胸時に足りなくなったが、レントゲン撮影などでも発見できず、そのまま胸を閉じたという。 翌日、女性の両足が冷たくなったため検査したところ、血栓などを発見し、再手術した際にもガーゼは見つからず、女性は多臓器不全で死亡した。 同病院の別の医師が8月末、再調査を提案して、遺体が既にないため、コンピューター断層撮影(CT)の画像などを確認したところ、腹部大動脈にガーゼが残っていた可能性が高いことが分かったとしている。 18日に記者会見した内藤正俊病院長は「重大事案であり、真摯に反省する。再発防止に努めたい」と謝罪した。
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