香川大医学部付属病院(香川県三木町)に救急搬送された女性患者を巡り、損害保険大手のAIU保険日本支社(東京都)が「適切な措置を取らなかったため重い後遺症が残った」などとして同大を相手取り1億7438万円の支払いを求める訴訟を高松地裁に起こしたことが明らかになった。 訴状によると、同病院には2003年9月、知人の運転する車に乗っていて事故に遭い、負傷した女性が運ばれた。 女性は入院した日の夜、手足などに搬送時にはなかった重い麻痺が見られるようになり、知人を相手に提訴して、2億2575万円の賠償を認める高松高裁判決が確定した。 知人の車に保険が掛けられていたAIU保険は、賠償金や治療費など3億4876万円を払ったが、同保険はこのうち半分について、「付属病院が速やかに首を固定しなかったため、脊髄損傷が広がった」として過失を指摘し、負担を求めている。 香川大医学部総務課は「係争中のことで具体的なことは答えられない」と話している。
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