名古屋市営バスの事故報告書の虚偽記載問題で、市交通局が過去5年間の7営業所に対する無事故運行表彰を取り消し、賞金計約270万円を返還させる方針を固めたことを明らかにした。 事故報告書の捏造など、不適正な事故処理が確認されたためで、営業所に加え運転手4人の無事故運転表彰も取り消すとしている。 市交通局によると、無事故運行100万キロごとに営業所を表彰し、賞金2万円を支給する制度を2007年度に導入して、2010年度からは無事故運行をさらに推進するとして、無事故100万キロの賞金を20万円に増額、その後50万キロごとに20万円を加算する制度に変更したという。 2007〜2011年度は7営業所が表彰の対象となり、回数と賞金総額は、鳴尾=11回130万円、中川=7回68万円、如意=2回4万円、稲西=2回22万円、猪高=2回22万円、緑=1回20万円、大森=10回(民間委託のため賞金なし)だった。 しかし市交通局の調査で、この7営業所を含む全営業所で事故報告書を捏造したり、被害者の治療費を運転手が立て替えるなどの手口による「事故隠し」が2007年度以降、計269件あることが判明したため、表彰を取り消し、各営業所予算から賞金分を差し引く形で返還させる方針を決めたとしている。 一方、運転手の表彰は2002年度に始まり、無事故期間が5年、10年、20年ごとに表彰され、それぞれ3000円、1万円、2万円相当の賞品が贈られている。 表彰が取り消される運転手4人も、関係する「事故隠し」が明らかになった。 名古屋市バスの事故虚偽記載は、新聞社の情報公開請求で8月に発覚したもので、市交通局の内部調査で、2010年間で少なくとも1989件の事故を警察に届けていなかったことが判明し、報告書捏造などの不適正処理269件も明らかになった。
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