九州大が6日、福岡市東区の同大箱崎キャンパス内にある研究施設で実験用のヒ素15.06グラムを紛失したことを明らかにした。 成人男性約100人分の致死量にあたるもので、福岡県警東署が窃盗事件の可能性もあるとみて捜査している。 発表によると、紛失したヒ素は生物環境利用推進センター内の実験室で円筒形の瓶(高さ約10センチ、直径約4センチ)に入れて保管しており、ヒ素による土壌汚染の研究などに使っていた。 管理者の男性准教授(47)が9月29日、保管庫からヒ素入りの2瓶を取り出し、実験台の上に放置したまま、約2時間半、実験室を離れていたもので、実験室の鍵はかけていなかったという。 准教授は実験室に戻った後、紛失に気づかないまま1瓶だけ保管庫に戻したとみられ、今月4日、保管庫にヒ素を補充した際に、初めて紛失に気づいたという。
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