台風12号による記録的豪雨で1人が死亡、1人が行方不明になっている三重県紀宝町で、土砂崩れで7戸が流されて行方不明者が出た同町浅里地区には、避難指示・勧告とも出されていなかったことが7日、明らかになった。 町地域防災計画では、河川の氾濫、土砂災害の恐れがある場合、水位などをもとに避難指示・勧告を出す基準を定めているが、町の担当者は「浅里地区から被災情報が役場に届かなかった。道路が寸断されて孤立状態になり、情報を取りに行くこともできなかった」と釈明している。 また、浅里地区の防災無線が通じなくなり、住民への情報・通信手段が遮断されていたとしており、「故障か、停電なのか不明だ」と無責任に述べた。 町は2日午後5時、輪中堤内にある高岡地区の一部に避難勧告を発令し、その後、大里、鮒田、鵜殿地区などに順次、避難指示・勧告を出して、防災無線や広報車で避難を呼びかけたとしている。 しかし、浅里地区では十分な情報収集ができず、結局、約50世帯約100人には避難指示・勧告が出されないまま、多くの人が犠牲になった。
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