長野日報社(長野県諏訪市)が1日、2009年9月から2010年7月まで同紙に202回にわたり掲載し、今年4月に刊行した元同県箕輪町教育長、大槻武治氏の歴史小説「保科正之人生道中記」に盗用があったとし、本を回収して絶版にすることを明らかにした。 「保科正之人生道中記」は、高遠藩主で後に会津藩主になり、江戸幕府を陰で支えた保科正之の半生を描いていて、1700部刊行したが、購入者から実費で引き取るという。 直木賞作家の中村彰彦氏が、自身の著書「名君の碑」などからの盗用を指摘して、同社が検証し、大槻氏が盗用を認めたという。 取材に対して大槻氏は、「多くの歴史資料を集める中で(中村氏の)小説を混同してしまった。認識不足だった」と釈明した。 同社の伴在賢時郎専務は「回収を進めているが遺憾の極み」とのコメントを出した。
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