周南市の防災行政無線施設整備工事が遅れた問題で、市議会の調査特別委員会(百条委)が3月29日、調査報告書をまとめたところによると、遅れの要因を「市と関係事業者との間の見解の相違」と指摘し、市が改善すべき点として「積極的に認識を一致させる努力」と「市民への説明責任を果たすこと」を求めていることが明らかになった。 30日の3月定例会最終本会議で報告し、議決するという。 報告書は、工事請負契約をした日本無線(東京)に対しても、市が求めた既設消防無線との接続確認について「他社の消防多重無線と接続経験がないにもかかわらず、機器製作者の三菱電機に発注すれば解決すると思っていた軽率さがある」と指摘した上で、市側が工事仕様書に記した「製作者の承諾」について「意味が一義的に明確でなかったために三菱電機の誤解を招き、市の接続への理解不足や市長がシステム全体の確認にこだわったことも相まって接続確認が(昨年)12月10日まで続き、工事遅れの一因となったことは否定できない」とした。 百条委は、今回のような事態を招かないための改善意見として、「今後の防災行政無線の構築にあたっては、市民参画と情報公開のもとに、検討委の設置、専門家の招へいなどにより、構想そのものを練り上げていく取り組みが必要」と強調し、請負業者に対しても「発注者の意図と工事等の内容を十分に理解・把握し、誠実な履行に努めるべきだ」とした。
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