陸上自衛隊真駒内駐屯地(札幌市南区)で2006年、1等陸士、島袋(しまぶく)英吉さん(当時20歳)が格闘訓練中に死亡した事故で、札幌検察審査会が18日付で、業務上過失致死容疑で不起訴処分となった男性隊員3人について、不起訴不当の議決をしたことが明らかになった。 札幌地検は再捜査し、改めて処分を決めることになる。 3人は指導教官役の3曹と陸士長、所属部隊長の2佐(いずれも当時)で、議決は「安全管理がずさんで、島袋さんの死亡を予見できた」と指摘している。 札幌地検の広上克洋次席検事は「再捜査し、適切に対応したい」とのコメントを出した。 3曹と陸士長は2006年11月、駐屯地内の武道場で実施した格闘訓練で、島袋さんが十分に受け身できないのを知りながら投げ技をかけ、急性硬膜下血腫などで死亡させたとして、陸自警務隊から地検に書類送検された。 上司に当たる2佐は安全配慮を怠ったとして、島袋さんの両親が2010年8月に告訴したが、地検は2011年3月までに容疑不十分などを理由に全員不起訴にしていた。 事故を巡っては、両親が国に賠償を求めた訴訟が札幌地裁で係争中となっている。
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