名古屋市の河村たかし市長が、前市議会が修正した総合計画「中期戦略ビジョン」と議員提案の「名古屋版事業仕分け条例」の議決(10年9月)取り消しを求めた訴訟の判決で、名古屋地裁の増田稔裁判長が19日、いずれも「議決は議会の権限を越えるものではない」として請求を棄却したことが明らかになった。 市長の選挙公約項目を修正したり、事業仕分けの際に市長が議会の意見を聞くことを盛り込んだ内容が「議会の権限を越える」かが争点だったが、増田裁判長は「修正は条例の基本的な方向を変えるものではなく、修正権の範囲内」「議会には(市政への)監視権がある」とした。 河村市長は記者団に「行政がいったん判断したものが裁判でひっくり返るのは難しい。今の裁判はそういうものだ」と不満をにじませ、控訴については「ちょっと考える。いずれにしろ議会はやり過ぎだ」と述べた。
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