経済産業省元幹部によるインサイダー取引事件で、逮捕された前資源エネルギー庁次長の木村雅昭容疑者(53)が、半導体大手エルピーダメモリの経営再建支援の担当をいったん外され、復帰した直後に株購入を再開していたことが14日、関係者の話で明らかになった。 東京地検特捜部は、木村容疑者が職務上の権限を悪用して株取引をしていたことを裏付ける事実とみている。 逮捕容疑では、半導体業界担当の同省審議官だった木村容疑者は2009年5月11日までに、エルピーダ社が改正産業再生法に基づき増資するとの決定を知り、公表前の同月中旬に同社株計3000株を購入したとされる。 関係者によると、木村容疑者はこれ以前にも、エルピーダの再建計画を担当していた同年2〜3月、同社株を購入して、4月3日と13日に一部を売却して利益を得ていたが、その後、エルピーダ支援のために訪れた台湾での発言が問題視されて4月中旬に担当を外され、エルピーダ株の売買をやめていた。 経産省は5月上旬、エルピーダ支援策について、6月下旬に同法の適用を認可するなどの具体的な日程を決定し、同社側も合意したが、これを受けて同月中旬、木村容疑者は銀行からエルピーダへの融資を募る窓口役に復帰した。 このころ、エルピーダ支援策の内容や日程について部下から詳しい報告を受けたとされている。
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