金融商品取引法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕された経済産業省元審議官・木村雅昭容疑者(53)が、半導体大手「NECエレクトロニクス」が合併情報を発表する数時間前まで、同社株を買い付けていたことが捜査関係者の話で明らかになった。 東京地検特捜部は、売却益を最大限増やすための悪質な行為とみて追及しており、捜査関係者によると、木村容疑者は2009年3月、NECエレ社側の幹部から、近く同社が同業の「ルネサステクノロジ」と合併協議を始めると発表するとの情報を得て、木村容疑者はこの時期、自身が経営再建に関与していた半導体大手「エルピーダメモリ」の株を買い進めており、同社が4月1日に台湾企業との技術提携を発表した後、株価が500円前後から1000円近くに上がった4月中旬に同社株を売却した。 木村容疑者は4月下旬頃、今度はNECエレ社が同月27日に合併協議を発表するとの情報を入手し、エルピーダ社株の売却益を元手に、NECエレ社株を同月21日から買い始め、発表が行われる27日午後3時の数時間前までに計5回、5000株を買い付けたという。 その後、再びエルピーダ社株を買い始める5月中旬までにNECエレ社株の大半を売却し、約30万円の利益を得たが、木村容疑者側は「株購入時、合併情報は報道機関で報じられておりインサイダー取引にはあたらない」と主張している。
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