検察が試行を進めている取り調べの録音・録画(可視化)をめぐり、仙台地検が逮捕した容疑者の男に対する取り調べで、検察官が「話しづらいのではないか」と提案し、録画が取りやめられていたことが10日、弁護人への取材で明らかになった。 録音・録画が中止されたのは、仙台地検特別刑事部が昨年11月に有印公文書偽造などの容疑で逮捕した弁護士事務所職員の男の取り調べで、男は同月に起訴された。 男の弁護人によると、逮捕当初から調べの様子が録音・録画されていたが、取り調べの中で男性検事が「事務所のことなどを話しづらいのではないか」と中断を提案し、男性も希望して、起訴直前に再開するまで録音・録画が取りやめられたという。 弁護人はこの間、強引な取り調べはなかったとしているが、「本人が希望したとはいえ、中止が相次げば全面可視化の流れが骨抜きにされる恐れがある」と話しており、仙台地検は「個別事件の捜査に関することはコメントできない」とした。
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