雇用促進住宅の家賃を5カ月以上滞納した入居者に対し、運営する独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」が規則通り賃貸契約を解除しなかったり、退去しない不法入居者による損害額を把握していないケースが2010年度末で1889件、計8億5390万円相当あることが会計検査院の調査で分かり、検査院が26日、機構に改善を求めたことが明らかになった。 雇用促進住宅はハローワークの紹介で転居を伴う就職をした人に貸す宿舎で、機構の規則で、家賃を5カ月滞納した入居者に支払いを督促し、約2週間たっても支払いがなければ賃貸契約を打ち切り、契約解除後も転居しない不法入居者には損害金として家賃の2倍相当額を徴収することになっている。 検査院が、愛知や広島、福岡など7県を調査した結果、滞納が5カ月以上あった1180件のうち1034件(滞納額約3億4260万円)は規則通り賃貸契約を解除しておらず、1年以上たって解除したケースもあった。 損害金については入居者から徴収するのは困難として額を把握しておらず、検査院が試算したところ855件、未収額は計約5億1130万円あった。 機構は「解雇など入居者の事情を考慮して契約解除が遅れた。事務手続きを整理し改善したい」としている。(編注:未収額は、職員の給料から天引きすれば良い)
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