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Channel: 公務員の不祥事
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基幹の自治体病院、過半数が労基違反

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 都道府県や市町村が運営する基幹病院(200床以上)の過半数が、過去9年の間に何らかの形で労働基準法に違反し、労働基準監督署から是正勧告を受けていたという調査結果が、広島国際大の江原朗教授の調査で明らかになった。 中には、8回にわたって勧告を受けた病院もあり、違反の理由では、時間外や休日における勤務に関する協定の未締結や、深夜や休日の勤務に対する割増賃金の未払いが多かったことが判明した。 江原教授は、都道府県や政令指定都市、市町村が運営する自治体病院のうち、地域の基幹病院としての役割を担う200床以上の施設を対象に、情報公開制度を用いて調査を実施し、2002年3月19日から2011年3月18日にかけて、労働基準監督署から各病院に交付された是正勧告書の数や、その内容について分析した。 都道府県や政令指定都市が運営する病院(144施設)の55.6%に相当する80施設が、9年間で延べ130回の是正勧告を受けており、また、市町村が運営する病院では、情報公開制度により是正勧告の有無が明らかとなった施設(224施設)のうち、57.1%に相当する128施設が延べ189回の勧告を受けていて、市町村の病院の中には、1施設で8回の是正勧告を受けていた例もあったという。 労基法違反の内訳では、都道府県や政令指定都市が運営する病院では、時間外・休日の労使協定を締結せずに、法定労働時間を超えた時間外勤務や休日出勤をさせていた「労働時間」に関する違反が67.7%と最も多く、また、時間外や休日、深夜労働への割増賃金を支払っていなかった違反(40.0%)、就業規則の作成や届け出の義務に対する違反(16.2%)、賃金台帳に関する違反(12.3%)などの違反も多かった)。 さらに、市町村が運営する病院について、規模別に是正勧告を受けた比率を分析した結果、200〜299床の病院では46.8%、300〜399床では46.7%と、全体の平均(57.1%)を下回っていたが、400〜499床では65.2%と、勧告を受ける病院の割合が急増し、さらに500〜599床では76.9%、600床以上では86.7%と、病院の規模が大きくなるにつれ、労働基準法に抵触する割合が高まることも明らかとなった。 江原教授は「労働基準監督署の是正勧告書は、保管が義務付けられる3年を過ぎれば廃棄しても問題はないとされている。そして廃棄されれば、たとえ情報の開示請求をしても『是正勧告書は不在』ということになる」と指摘し、実際の勧告回数は、今回明らかになった数を上回る可能性もあると指摘している。

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