民主党の小沢一郎元代表(69)が代表を務める民主党岩手県第4区総支部が昨年7月の参院選にあたり、旧新生党の資金がプールされている政治団体「改革フォーラム21」から1億円の寄付を受領していた問題で、同支部が寄付を受けた当日、小沢氏の資金管理団体「陸山会」に同額を寄付していたことが25日、明らかになった。 政治資金規正法の規定では、改革フォーラム21から陸山会へ直接1億円を寄付することはできず、同支部を迂回させた可能性が浮上している。 岩手県選挙管理委員会が25日開示した政治資金収支報告書によると、同支部は昨年6月24日の参院選公示直前にあたる同月18日、改革フォーラム21から1億円の寄付を受領し、同日中に全額を陸山会に移した。 改革フォーラム21代表で、小沢氏元秘書の川島智太郎衆院議員(民主)は25日、取材に対し、「参院選に使ってもらおうと寄付をした」と回答しており、1億円は陸山会を通じ、参院選の民主党候補に分配された可能性がある。 規正法では、政党や政党支部などを除く政治団体が、別の政治団体へ年間5千万円を超えて寄付することを禁じており、改革フォーラム21から陸山会に1億円を直接移動すると同法に抵触するため、除外規定のある政党支部を経由させたと指摘されている。 同支部は平成21年の衆院選にあたっても、改革フォーラム21から3億7千万円を受領し、その翌日に全額を陸山会に寄付しており、市民団体「政治資金オンブズマン」(大阪)のメンバーらが今年2月、規正法で定める上限規制に違反するとして、小沢氏と21年当時の会計責任者だった平野貞夫元参院議員を東京地検に刑事告発している。 政治団体間の寄付の上限規制は、16年の日本歯科医師連盟による自民党旧橋本派への1億円ヤミ献金事件を受けた法改正で盛り込まれ、違反した場合、1年以下の禁錮または50万円以下の罰金が科されることになる。
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