使用済み核燃料を再処理する日本原子力研究開発機構東海再処理施設(茨城県東海村)で「排風機」と呼ばれる換気設備3台が停止したトラブルで、高放射性廃液の貯蔵タンク内の圧力が上昇して放射性物質が漏れる危険性が生じたにもかかわらず、警報装置が作動しなかったことが明らかになった。 経済産業省原子力安全・保安院は「警報の設定値が甘い」と問題視し、同機構に報告を求めている。 同機構によると、13日午後6時20分ごろ、放射性物質がタンク外に漏れることを防ぐため、タンクの内圧を外圧より低く保つ排風機が停止した。 内圧は上昇し、外圧を1キロパスカル以上上回ったが、タンクが設置された室内にある別の換気設備が稼働して、施設外に放射性物質は漏れなかったという。 警報は内圧が外圧より9.8キロパスカル高くなると鳴る設定だったが、実際のタンクの圧力値は記録紙の上限を超えたため不明。 保安院によると、青森県六ケ所村の再処理工場にある同様の高放射性廃液貯蔵施設では、貯蔵タンクの内圧が外圧を上回る直前に警報が鳴る仕組みになっているとしている。
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