千葉市内で２００６年、通行人の女性に性的暴行を加えたとして、強姦罪に問われた配送業の男性（５３）に対し、最高裁第２小法廷（千葉勝美裁判長）が２５日、懲役４年とした１、２審判決を破棄して、無罪を言い渡したことが明らかになった。 小法廷は「被害女性の供述を全面的に信用した１、２審の判断は是認できない」と述べ、男性の逆転無罪が確定することになる。 判決は裁判官４人中３人の多数意見で、最高裁が１、２審で実刑判決を受けた被告に対し、逆転無罪を言い渡したのは、２００９年４月の電車内痴漢事件以来で、異例の判断となった。 男性は２００６年１２月、千葉市中央区の路上で当時１８歳の飲食店勤務の女性に声をかけ、「ついてこないと殺す」と脅迫して近くのビルの外階段まで連れて行き、無理やり乱暴したとして起訴されていた。 しかし、男性は一貫して否認し、「女性に援助交際を持ちかけたら、ついてきたが、強姦まではしていない」などと主張しており、脅迫や性的暴行の客観的証拠はなく、被害女性の供述の信用性が争点となっていた。 小法廷は、被害者が、「逃げずについていき、周囲に助けを求めていない」ことと、「性的暴行を受けたとする体勢は不自然で、下腹部に傷もない」、さらに、「破れたので捨てたと言うストッキングも見つかっていない」などの理由から、「強姦行為が行われたこと自体、疑わしい」と結論づけた。
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