宮城県警若柳署が、東日本大震災の復旧作業に取り組む署員向けにオリジナルTシャツを作成したことが明らかになった。 平成20年の岩手・宮城内陸地震を経験した署員らが発案し、収益は震災で殉職した警察官の遺族への義援金に充てるとしており、他県警の応援部隊からも要望があり、10日間で署員の3倍以上となる170枚が注文されたという。 Tシャツは濃紺で、背中に「手をつなぎ 心はひとつ わかやなぎ」の文字と、県警のマスコット「みやぎくん」のイラストが描かれており、スポーツ用の生地を使い、署員は出動服の下などに着用している。 1枚1500円で、原価を除いた約1割が義援金になる仕組みで、発案した地域課の遊佐晃子巡査長(38)は、「義援金を募るにはどうしたらいいかを考え、被災者と『心はひとつ』の思いを表せる形にした」と話しているが、実際は、仲間だけを限定的に助ける目的であり、一般市民を見捨てている。 地元の衣類加工会社に製造を依頼し、今月5日には注文の受付を開始したところ、複数枚購入する例も多く、同15日までに署員約50人で138枚を発注しており、さらに、同署を中継地として、南三陸町に派遣される群馬、長野、滋賀、奈良、兵庫各県警の応援部隊からも「震災の記憶を何らかの形で残したい」と32枚の発注があったとしているが、市民に宛てる寄付の話は確認できていない。 Tシャツは同署玄関に飾られているため市民からも問い合わせがあるが、「販売はしていない」とし、排他的な体質が見え隠れしている。 約10枚購入したという渡邊政明署長は、「被災者(警察官)の痛みを少しでも分かち合い、岩手・宮城内陸地震で栗原市が受けた恩を返したい(が、市民のことは無視する)」と話している。
↧